4. 心筋梗塞とエクソソームの働き
エクソソームに包まれて運ばれるメッセージ物質については、次々明らかになっています。人々を死に追い込む心筋梗塞、この治療にエクソソームを生かそうと言う研究が進んでいます。
心筋梗塞は、発病すると細胞が瞬く間に壊死します。一命を取り留めても、元通りに直すことは困難と言われています。
心臓は、新しい細胞に入れ替わるペースがきわめて遅い為です。50年かけて入れ替わるのは、僅か3割程度に過ぎません。
ところが心臓の中に潜むエクソソーム中にごく僅かですが、心臓の細胞を再生させるメッセージを持った、マイクロRNAが含まれていたのです。このマイクロRNAを上手く使えば、心筋梗塞を直すことが可能になるかもしれません。
マウスの実験では、心筋梗塞を起こしたマウスの心筋細胞は死滅し、数も激減しましたが、マイクロRNAを人工的に増やしたマウスでは、なんと心臓の壁が元気な状態に戻っていったのです。
医療の世界に革命が起ころうとしているのです。